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ぎっくり腰

GIKKURI

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰は「急性腰痛症」とも呼ばれ、腰の筋肉や関節周りの組織が急激に損傷し、強い炎症を伴う状態を指します。突然動けなくなるほどの激痛が特徴です。多くの場合、適切な初期対応と安静によって回復へ向かいますが、時間が経過しても痛みが改善しない、または下半身にしびれや力が入らない感覚が広がる場合は、単なるぎっくり腰ではなく椎間板ヘルニアなどの可能性も考えられるため、注意が必要です。

ぎっくり腰の主な症状

日常生活に支障をきたすほどの「激しい痛み」が共通した症状です。痛みの感じ方は様々で、「腰が抜けるような感覚」「電気が走る鋭さ」「重く熱を持つような鈍痛」などと表現されます。発症の背景も異なり、慢性的な腰痛を抱えていた方が発症することもあれば、腰に全く不安がなかった方にも起こり得ます。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰の激痛は、腰を支える筋肉や靭帯といった組織が、急な負荷によって損傷(捻挫や肉離れ)し、強い「炎症」を起こしていることが直接の原因です。
重い物を持ち上げる動作などがきっかけになりますが、その背景には、運動不足や長時間のデスクワークによる筋肉の硬直(柔軟性の低下)が潜んでいます。
柔軟性を失った組織は、日常のふとした動作や、くしゃみといったわずかな衝撃にも耐えきれなくなり、損傷と激痛を引き起こすのです。

ぎっくり腰になったときの
対処法

  • 激痛直後は動かない

    ぎっくり腰は、腰の組織が「ケガ」をしている状態です。痛みが少し落ち着いたと感じても、発症から数日間は安静を保つ必要があります。すぐに通常の生活に戻ろうとすると、治りかけた組織を再び傷めることになりかねません。

  • 寝る姿勢

    発症したまさにその瞬間は、動かないことが最優先です。突然の激痛に襲われたら、まず両手を太ももや近くの壁・机などについて体を支えます。無理に体勢を変えようとすると、筋肉や靭帯の損傷をさらに広げる可能性があります。

  • 2、3日は安静に

    安静にする際の寝方にも工夫が必要です。痛む側を下にして横向きになり、背中を丸めて両膝の間にクッションを挟むと、腰の緊張が和らぎます。仰向けで寝る場合は、膝を立ててその下に丸めた毛布やクッションを入れ、膝が軽く曲がった状態を保ちましょう。

ぎっくり腰でやっては
いけないこと

激しい痛みに襲われると、不安や焦りから「何かをしなくては」と考えがちです。しかし、ぎっくり腰の初期段階(急性期)においては、良かれと思って行ったことが回復を妨げ、症状を悪化させるケースが少なくありません。初期の適切な処置が、その後の回復期間を大きく左右します。

①腰を強く刺激する行為

発症直後の患部は、強い炎症(火事のような状態)を起こしています。この時期に患部へ物理的な刺激を加える行為は、炎症を悪化させるため厳禁です。

マッサージ
痛む場所を「ほぐしたい」と感じるかもしれませんが、急性期に筋肉を強く揉む行為は、炎症を助長するだけです。損傷した筋繊維がさらに傷つき、回復が遅れる原因となります。気持ちよさよりも、まずは炎症を鎮めることを優先してください。
患部を叩く
痛みを紛らわすために患部を叩く行為も、マッサージと同様に組織への刺激となります。痛みが和らぐことはなく、むしろ防御反応で筋肉がさらに緊張し、組織の損傷を広げるリスクがあるため、絶対に避けるべきです。
無理に姿勢を矯正する
痛みのせいで体が傾いたり、姿勢が悪くなったりするように感じることがあります。しかし、これは痛めた箇所を守るための「防御反応」です。歪んでいるからと自己判断で無理に腰をひねったり、ストレッチで伸ばそうとしたりすると、守ろうとしている組織にさらなる負担がかかり、症状が悪化することがあります。

②むやみに動き回る

「腰を動かさないと固まってしまう」という考えは、急性の炎症期には当てはまりません。損傷した部分を修復しようとしている時期に無理に動くと、組織の修復が遅れるばかりか、さらに傷を広げてしまう可能性があります。痛みが強い数日間は、日常生活の動作も最小限にし、安静を第一にすることが求められます。

③温めすぎや無理なストレッチ

炎症が起きている患部は、熱を持っています。この時期に入浴で全身を温めたり、保温具で腰部を加熱したりすると、血流が促進されすぎて炎症が助長され、痛みが強くなることがあります。急性期はむしろ冷却(アイシング)が基本です。また、痛みをごまかすために無理にストレッチをすると、筋肉が防御反応でさらに硬直し、症状が悪化することがあるため、自己判断でのストレッチは避けてください。

ぎっくり腰を
早く治すための対処法

ぎっくり腰の回復には、まず炎症を抑える「急性期」、次に組織が修復される「修復期」といった段階があります。段階ごとに「冷やすべきか」「温めるべきか」「いつから動かすべきか」の対処法が全く異なります。自己判断での間違ったケアは、症状を長引かせる可能性があります。適切な対処で早期の回復を目指すためには、まず専門家による状態の確認が重要です。

痛みの強さによる対策の違い

ぎっくり腰の対処法は、その時の痛みの強さによって適切なものが異なります。ご自身の症状をチェックしながら対象法を見ていきましょう。

スクロールできます

痛みの強さ 対処法
軽度の痛み 痛みを悪化させない範囲で、日常生活の動作(歩行、家事)は維持します。
長時間の同一姿勢(座りっぱなしなど)は避け、こまめに体勢を変えるよう意識してください。
痛みが引いたら、再発予防として腰回りの柔軟性を高めるストレッチを開始します。
中程度の痛み 基本は安静を優先しつつ、痛みが強まらない範囲での軽い散歩などを取り入れ、血流を促します。
患部に熱感(熱っぽさ)が残っている場合は、冷やします(アイシング)。
熱感が引き、鈍い痛みに変わってきたら、入浴や蒸しタオルなどで温め、筋肉の緊張を和らげます。
激痛 最も楽な姿勢(横向きで膝を曲げるなど)を見つけ、絶対に無理に動かないようにします。
患部が熱を持っているため、氷のうや保冷剤をタオルで包み、1回15分程度を目安に冷やします(アイシング)。
痛みが強い初期は、炎症を抑えることが最優先です。ご自身の感覚だけに頼らず、体の状態(熱感の有無、動かせる範囲)を慎重に観察し、無理のない範囲で段階的に対処することが早期回復の鍵となります。

痛みが強い初期には、まず炎症を抑えることを最優先に考えましょう。
患者さんの中にも、「痛みが少し引いてきたから」と、無理に動いてしまい、再び激しい痛みに襲われてしまったという方が少なくありません。
ご自身の体の状態をよく観察し、無理のない範囲で対処していくことが大切です。

ぎっくり腰の予防方法

ぎっくり腰は、日常生活での習慣が深く関わっています。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢をとることが多い場合、知らず知らずのうちに腰へ負担が蓄積しています。以下の予防策を意識することが、再発を防ぐ鍵となります。

正しい姿勢の維持
オフィスでの作業中は、骨盤を立てて背骨の自然なカーブを保つよう意識することが大切です。無意識に猫背や反り腰になっていないか、時折セルフチェックします。長時間座り続ける場合は、最低でも1時間に一度は立ち上がり、腰や背中を軽く伸ばす習慣をつけましょう。
筋力トレーニング
腰を支えるインナーマッスル(腹横筋や多裂筋など)を鍛えることで、腰椎の安定性が高まります。これにより、急な負荷がかかった際の腰への負担を減らすことができます。ただし、自己流の腹筋運動は逆に腰を痛めることもあるため、個々の状態に合わせた適切な体幹トレーニングが重要です。
重い物を持ち上げる際の
注意
ぎっくり腰の予防において、物の持ち上げ方は非常に重要です。腰だけを曲げて(お辞儀のように)持ち上げるのではなく、必ず一度しゃがみ込み、膝を使って立ち上がるようにします。荷物は体に引き寄せてから持ち上げることで、腰にかかる負荷を大幅に分散できます。

ぎっくり腰について
よくある質問

Q
ヘルニアとは違うんですか?

主な違いは「症状の範囲」と「原因」です。ぎっくり腰は主に腰の筋肉や靭帯の損傷による「急性の炎症」で、痛みは腰部が中心です。一方、ヘルニアは椎間板が飛び出して神経を圧迫する状態で、腰の痛みに加え、お尻から足にかけてのしびれや痛みを伴うことが多いのが特徴です。

Q
ぎっくり腰になった時やってはいけないことはありますか?

絶対に避けるべきは、発症直後(急性期)の「温める」行為と「揉む」行為です。炎症が悪化するため、熱いお風呂は避け、シャワー程度にしてください。また、患部を無理にストレッチしたり、痛みを確かめるように動かしたりするのも厳禁です。痛みが強い数日間は安静が第一ですが、痛みが引いてきたら、安静にしすぎず徐々に日常生活に戻していくことも大切です。

Q
ぎっくり腰は癖になると聞きましたが本当ですか?またどうしたらならないようになりますか?

ぎっくり腰を繰り返す方が多いため「癖になる」と表現されがちですが、正確には「ぎっくり腰になりやすい根本的な原因が体に残っている」状態と考えられます。
ぎっくり腰は、普段からの疲労蓄積、睡眠不足、運動不足などが重なり、体を支える筋肉がうまく働かない時に発症しやすくなります。特に、長時間のデスクワークや運転の後、あるいは朝起きた直後など、筋肉や関節が固まった状態から急に体を動かすと、腰に過度な負担がかかり再発につながります。
再発を防ぐためには、この根本的な原因への対処が不可欠です。背骨や股関節の柔軟性を保つための日々のストレッチや、腰を安定させるための体幹強化など、体を正しく使うためのケアを継続することが予防の鍵となります。